足るを知る者は富む
「足るを知る者は富む」とはどういうことでしょう?
逆に「もっともっと」が人を不幸にする!足るを知って心豊かに生きるとはどういうこと?
【 足るを知る者は富む 】
「自身の欲望の際限なさを知る」
「足るを知る」という 老子の教えを見ていきます。
「自分がどれだけ頑張ろうとも、周囲の人間がそれ以上に頑張り、成果を残すと、自分には
結果も評価も伴わないことも少なくない(人間は万物の尺度である)」
「折角幸福を手に入れても、それはやがて霞んで見えなくなり、かわりに些細なことで
不幸に陥りやすくなる(禍福は糾える縄の如し)」
そもそも老子とは?
老子(ろうし)は、古代中国の哲学者で、「道教」の始祖でもあります。てっきり「老子」は、人の名前だと思っていたのですが、「偉大な人物」を意味する尊称なんだそうです。老子は春秋戦国時代の諸子百家のうちの代表的な一人で、道家は彼の思想によって生まれたものです。
書物『老子』を書いたとされるんですが、その履歴については不明な点が多いので、実在については聖徳太子のように疑問視する声も大きいことから、老子が生きた時代については依然として議論が行われたりする。
老子は紀元前6世紀(紀元前4世紀という説も)の人物とされているのですが、没後2000年以上経過しているにもかかわらず、老子の思想は世界中の人たちに影響を与えています。名言もビジネスマンを中心に人気が高いです。
「もっともっと」が自分を苦しめる!
老子は、2000年以上前から「満足することを知っている者は、心豊かに生きることができる」と説いています。言葉にすると簡単そうに思えてしまいますが、足るを知る=満足することを知ることは、非常に難しいことです。
特に物があふれた現代社会では、「自分にとって本当に必要なものなのか?」、真剣に検討することなく次から次へと欲しいものが増えていき、沢山の物が「使い捨て」の状態になっていますよね。これが「不足の心」を生み出す原因となっています。
不足の心は、他人と他人と自分を比較し、自己否定感を強めます。これでは幸せは遠のくばかりです。ですので、新しい時代を幸せに生きるには、何事も他人や世の中の基準に流されるのではなく、自分自身に合ったものを選ぶ。自分にとっての「足る」を知ることが大切です。
足りるを知る=「ほどほどのところで満足せよ」ではない!
「足るを知る」と聞くと、「やっぱり欲張らずにほどほどのところで満足したほうがいいのかな」と思われるかもしれませんが、老子は決して「適当なところで満足せよ」と説いているわけではありません。
「とりあえずこれでいいや」といった消極的な欲求ではなく、「絶対これがいい」と心から思える、今の自分に満足することこそが「足りるを知る」ことなんですね。自分がすでに持っているもの、自分がこれまで得てきたものを受け入れてそれに満足する。
欲を持つことも大切!
ただし欲=悪ではありません。上を目指して頑張ることも大事なことです。「欲」があるからこそ人は結果を恐れずに努力することができます。逆に欲がなさすぎると向上心がなくなり、何かを頑張ろうとしなくなるので、人生が停滞します。
「人に良く思われたい」「人から好かれたい」「尊敬されたい」といった虚栄心がなければ、頑張れないことだって沢山ありますよね。しかし、そればかりでは必ず心が疲弊します。どんなに頑張って何かを得ても、それに満足しないで「もっと、もっと」と望むのは、自分自身が報われません。
時には、自分と向き合いながら「自分は沢山の人たちのおかげで、こんなにも沢山のものを手に入れてきたんだな」と、これまでの努力や頑張りを認めて誉めてあげることが大切です。これからさらに物が加速的にあふれていく時代において何より大切なことだと思います。
考えすぎるのをやめる!
考えることは大切ですが、考えすぎるのは色々な意味で良くありません。考えすぎると不安ばかりが大きくなり、つねに心配しなければいられなくなってしまいます。しかも、嫌な記憶ばかりがどんどん強化されてしまうので、忘れたくても中々忘れられなくなってしまいます。
例えば何かに悩んでいて、それについて色々考えても、打開策となるいい手を思いつくより、考えすぎることで嫌な気分になると、何をするにもストレスとなって、適切な行動ができなくなります。その結果さらに状況が悪くなることのほうが圧倒的に多いのです。
そうならないためにも、考えるのをやめましょう。おすすめはウォーキングなどの軽めの運動と映画(今自分が悩んでいることに関連しているもの)です。20分くらい歩くとセロトニンなどの脳内物質の分泌が活性化されて気分がすっきりしますし、映画は悩みを解消するためのヒントを与えてくれます。
両方とも気分転換にもってこいなので、もし考えすぎているなと思ったら、気分転換しながら考えることから離れましょう。
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