中世ヨーロッパの異常な食文化
かなり久々に世界史の雑学です。
どちらかというと日本史の方が好きでしたので、あまり世界史は詳しくはないんですけど、ここに食文化が加わると話は変わってきまして、以前飲食業界に身を置いていたことから食文化には非常に興味を持っております。
主食は黒くかたいパン。
小麦で作られた白いパンは貴族が食べる高級品。
庶民たちの多くは古いにもかけられていない大麦とライムギを混ぜて作る、黒に近い硬いパンを食べていた。
固くてまずいため、スープに浸して柔らかくするか、飲み物と一緒にながしこむのが庶民の食事の常識だった。
水代わりにビール
当時は水を飲む感覚でビールを飲んでいた。というのも当時のヨーロッパは川や池がとても汚く、飲み水が手に入らなかったのが原因。
一人当たり1日2~3ℓのビールを飲んでいたが酒に強い体質なので酔っ払いは少なかった。
皿の代わりに硬いパン。
貴族は「トランショワール」と呼ばれる1週間ほど放置して硬くなった平らなパンを食器代わりに使用していた。
料理から出た汁が染み込んで多少柔らかくなるため、貴族は食べ終わったトランショワールを庶民に売り、庶民はそれを食べていた。
庶民は肉の奪い合い
庶民にとって牛や羊は貴重な労働力で収益源となるためめったに食べられなかった。
特別な日に肉の丸焼きなどが運ばれてきたら少しでも良い部分を切り取ろうと、奪い合いでけが人や死人が出ることが当たり前だった。
貴族は腐った肉を食べていた。
貴族は肉を食べていたが、とてもおいしいものではなかったそうで、当時は肉の保存方法が塩漬けにして放置するだけなので、すぐに腐った。当然いい匂いはしないためにおいを消すために故障を大量にかけていたそう。
肉は内臓まで食べていた
また肉は少しでも無駄にしたくないことからと、本来なら食べることのない内臓も食べていた。ソーセージなどが挙げられる。
魚、野菜は食べていなかった。
当時、魚は栄養価が少ない食べ物とされていて、食べると気分が下がると言われていた。
野菜は庶民が必死に働いて育てるものだから貴族の間では口にしたくないという理由で食べられていなかった。
手づかみで食べるのが常識
当時は手づかみで食べるのがマナーであり、道具を使うのは神への冒涜と考えられていた。
貴族は親指、人差し指、中指の3本で食べて、庶民は5本指を使って食べていた。それで上流階級化どうか判断していた。
酷い食事マナー
食べ方はひどく、テーブルクロスで汚れた手や口を拭いたり、鼻をかんだりしていた。
また料理を口に詰め込んだ状態で会話し、あちこちに食べカスを飛び散らせていた。
その不衛生さが原因で様々な病気が広がっていった。
ヨーロッパというとテーブルマナーとかうるさそうですが中世はひどかったんですね。
そう考えると日本の食文化はすごいと改めて感じます。
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